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小島貞二の怪
インチキ占い師のタネあかし
「血液型でわかる相性」第235刷(1989)は、第198刷(1982)から15カ所を訂正した事は冒頭に述べた。 235刷は能見正比古の没後(1981)から8年も経っており、息子の能見俊賢の改訂であるのは明白だ。 その中でも血液型人間学の特徴を顕著に示す例があるので検証する。
 
能見は血液型別に付き合い方があるとし、以下の傾向を並べる。
共通 p132
相手のハートを見抜く方法 O 型は好意をもつと、教えたがる
AO型は好意をもつと、世話を焼きたがる
BO型は好意をもつと、からかいたがる
AB型は好意をもつと、イジワルをしたがる

これを前提として演芸・相撲評論家の小島貞ニ氏の同一行動を実例に解説を始めるが、198刷と235刷では小島氏の血液型が違う。 198刷と235刷を一文ずつ比較する。
 
198刷・235刷 p132-133
198刷 : 小島貞ニ氏のAO型特性を解説
235刷 : 小島貞ニ氏のO型特性を解説

■ O型は教育好き
1. O型の教育好きは、何度も述べたから再説しない。相手が、どんな小娘でも、なにをナマイキな……、と思ってはいけない。教訓が飛び出すのは親しみを持ってきた証拠である。
O型の教育好きは、相手が、どんな小娘でも、なにをナマイキな……、と思ってはいけない。教訓が飛び出すのは親しみを持ってきた証拠である。
2. 「ホウ、なるほどね。それもそうだねえ」と感心してみせるのがいい。
「ホウ、なるほどね。それもそうだねえ」と感心してみせるのがいい。

■ AO型は世話好き/O型は教育好き
3. AO型の世話好きは、ときにうるさくなる人もあろうが、それが好意を持ってきた証拠と思って、ありがたく受けとること。
O型の教え好きは、ときにうるさくなる人もあろうが、それが好意を持ってきた証拠と思って、ありがたく受けとること。

■ 小島貞ニ氏によるAO型(世話好き)とO型(教育好き)の実例
4. 私の親友の一人に小島貞ニという演芸評論家がいる。AO型だが、いっしょに街を歩くと、たいへんである。
私の親友の一人に小島貞ニという演芸評論家がいる。O型だが、いっしょに街を歩くと、たいへんである。
5. 「あ、危ないですよ。あ、車がきますよ」
「あ、危ないですよ。あ、車がきますよ」
6. と道路を渡るたびに注意がとぶ。ときには肩を抱えて引きもどす。こちらは四十面さげた、いいオジさんである。しかし私は、これが彼の友情の証拠と、おとなしくありがたく引き戻されている。
と道路を渡るたびに注意がとぶ。ときには肩を抱えて引きもどす。こちらは四十面さげた、いいオジさんである。しかし私は、これが彼の友情の証拠と、おとなしくありがたく引き戻されている。

■ AO型への対処
7. 逆に、AO型に対して、細かく注意をし、いたわりの態度を示すのも、好感で迎えられる。ちょっとぐらい、くどくても……。
AO型に対して、細かく注意をし、いたわりの態度を示すのも、好感で迎えられる。ちょっとぐらい、くどくても……。
同一人物の同一事例において、血液型を変えれば見方が変わり、性格特性が変わるのだ! A型だと「世話好き」になり、O型だと「教え好き」になる。 いい歳の大人を子供扱いすれば、「からかい」でありB型とも出来るし、過剰な行動は「イジワル」にも見えAB型とも出来る。
 
血液型人間学による人間解釈はインチキそのものだ!
 
能見親子が「学問」と称する通俗本において、小島氏の血液型変化を調査した。
1971血液型でわかる相性 第1版p132-133青春出版社小島貞ニ:AO型
1978新・血液型人間学p234けいせい出版小島貞ニ:O型
1982血液型でわかる相性 第198版p132-133青春出版社小島貞ニ:AO型
1985新・血液型人間学青春出版社小島貞ニの記述削除
1989血液型でわかる相性 第235版p132-133青春出版社小島貞ニ:O型
能見は1978年の時点で小島氏の血液型間違いを読者に報告した。 しかし「血液型でわかる相性」では間違いを訂正することなく、O型の小島氏をA型としてインチキ理論を継続した。 1989年には、読者も昔の経緯は知るまいと、インチキ理論をインチキ変換して、インチキの二乗理論を構築したのだ。
 
235刷は同様のインチキ理論で、さらに読者を愚弄した。
1刷・198刷 p95-96
野坂昭如が、バーの女にくっついて行って、ヤクザまがいの男に登場され、“美人局”もどきの、おどしをかけられた。 翌日、なお未練で、同じバーに出かけて、女にケロリとあしらわれた告白がある。 これも野坂★★がBO型で女がO型とすれば、たいへん、ツジツマが合う。
235刷では、「野坂昭如」の名前を以下に置き換えた。
私の友人   ★★友人
1971年に能見正比古は、放送作家仲間:野坂昭如の失敗談をBO型の典型として解説した。 1973年の「血液型人間学」と1978年の「新・血液型人間学」では野坂をO型の典型とし、そのファッション・センスを解説した。 1989年では、野坂の名前を「私の友人」に置き換えて、O型の野坂の失敗談を、BO型の典型として解説した。
1971血液型でわかる相性 第1版p95青春出版社野坂昭如:BO型
1973血液型人間学p131サンケイ新聞社出版局野坂昭如:O型
1978新・血液型人間学p193けいせい出版野坂昭如:O型
1982血液型でわかる相性 第198版p95青春出版社野坂昭如:BO型
1985新・血液型人間学青春出版社野坂昭如の記述削除
1989血液型でわかる相性 第235版p95青春出版社名前を伏せて
BO型の実例で紹介

血液型人間学は、無責任そのものだ!
 
血液型を変えるのであれば、人物や事例を入れ替えるのが普通の人の考えである。 もちろん奥付に「改訂版」の表記をするのは、世間のルールである。 こんな常識もモラルもない作法で、「学問」や「科学」を名乗るのは、常軌を逸している
 
見方を変えて考える。
【質問】
中村さんは親しみがあり、気配りがあり、ユーモラスで、独創的で、皆の好感度114%である。
中村さんは宴会で料理にレモン果汁をかけ、皆の皿に取り分けた。彼女の血液型は?
【回答】
O型:(教え好き)レモンは健康に良いと皆に教えたがる。
A型:(世話焼き)レモンで料理の味を引き立て皆に世話を焼く。
B型:(からかい)レモンを自分で絞りたい人をからかう。
AB型:(イジワル)レモンが嫌いな人を焙り出すイジワルをする。
どれが正解であろうか?
どれも正解である。
何故か?
 
中村さんの性格を決めるのは中村さんではなく、受け手の感じ方・考え方だからだ。 普段レモンを使う人にとっては親切であるし、料理を味見してから調味料を選択する人にとっては迷惑である。 世話焼き(親切・気配り)でもあり、イジワル(強制・暴力)でもある。同じ行為でも解釈の仕方は、受け手の文化的背景により千差万別なのだ。
 
能見理論の展開には「思考の一方向性」という構造がある。 最初に「世話好き」や「教え好き」という言葉を与え、読者の視線をそちらに向けさせるのだ。 事例を紹介した後に言葉を与える手法だと、読者の感想と能見の言葉が対立する場合がある。
 
上記の「中村さんのレモン」がその典型だ。 読者の感想は多種多様であり、感想を持たれると定義に困るのだ。 どうにでも解釈できる行為は、定義に沿った解釈をさせねばならないのである。 血液型人間学に「下から上への積み上げ」は不可能なので、「上から下への押し付け」つまり「決め付け」しか選択肢はないのだ。
 
1971年の小島氏AO型「教え好き」説と、1989年の小島氏O型「教育好き」説は、どちらも成立するのである。 B型の「からかい」説であっても、AB型の「イジワル」説であっても、何でも良いのである。
 
何とでも言える血液型人間学は自らの占い本で、同一人物の同一事例を違う血液型で解説して、インチキ占いのタネ明かしをしたのだ。
■ 暫定非営利活動邦人 血液型偏見差別研究センター ■

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