血液型優生学 > 目次 > 2.「血液型でわかる相性」の嘘 > 2.有名人血液型誤統計 > Next
End▼
有名人血液型誤統計
間違いデータで理論を構築
能見は自説の血液型別気質を証明する例として、有名人の行動やゴシップに当てはめ例証する。 自著に権威をつけるためか、当時の佐藤栄作首相などは4回も使われる。
 
有名人の分野・総数・正誤表を以下に記す。
1.有名人血液型データ正誤表
登場有名人の分野
政治家・財界人・学者・教祖
芸能人・歌手・作曲家・指揮者
各界スポーツ選手・監督・親方
作家・評論家・映画監督・棋士・芸術家
小説/漫画の登場人物・バーのマダム・犯罪者

有名人血液型別集計
O型 A型 B型 AB型 不明 合計 のべ
合計
AO AA BO BB
1刷 51 47 35 35 1 169 215★★
10 37 7 27 1
198刷 51 48 32 42 174 213
11 37 6 25 1
A型とB型は表現型で記載される場合もあるので、遺伝子型とは別に区分した。
★★複数回登場する人物がいるので“のべ合計”を設けた。

遺伝子型6分類法を唱えながら1刷・198刷ともにAA=0人、BB=1人しかいない。
 
これを統計資料として6分類法を確立できるのか、AA・BBの期待値・出現率を1刷で計算して確認する。
AA型の期待値 (統計上出現すべき人数)
日本人におけるA型の比率AA(8%)+AO(31%)=39%
A型に占めるAA型の比率8÷(8+31)=20.5%
1刷のAA型の期待値47人×20.5%=9.6人

BB型の期待値 (統計上出現すべき人数)
日本人におけるB型の比率BB(3%)+BO(19%)=22%
B型に占めるBB型の比率3÷(3+19)=14%
1刷のBB型の期待値35人×14%=4.8人

AA・BB型の出現率 (期待される人数に対する出現率)
AA・BB型の期待値合計9.6+4.8=14.4人
AA・BB型の実数合計0+1=1人
AA・BB型の期待値に対する出現率1÷14.4=7%

極めて不自然な偏りがある統計で、AA・BBの期待値に対する出現率=7%では遺伝子型6分類法による分析・解説は不可能である。 能見は血液型を遺伝子型で調べもせずに、AO・BOに決めつけて表現型4分類に集約したのである。
 
さらに「決めつけ」は続き、「決めつけ」による例証が行われる。
 
有名人血液型 正誤表
1刷(1971) 198刷(1982) 確認方法
氏 名記載 氏 名記載
藤田憲子OA 藤田憲子O A WHOPLUS
宮沢喜一ABB 宮沢喜一ABB 朝日新聞 1992年2月8日
長嶋茂雄ABB 長嶋茂雄BO WHOPLUS 198刷は変更
都はるみABB 都はるみABB WHOPLUS
中村勘三郎ABA 中村勘三郎ABA WHOPLUS
中原早苗AOO 中原早苗AOO WHOPLUS
篠田正浩AOAB 篠田正浩AOAB WHOPLUS
石田ゆりBOA WHOPLUS 198刷は削除
星由里子OA 星由里子OA WHOPLUS
加山雄三ABA 加山雄三A WHOPLUS 198刷は変更
川上監督O不明 川上監督AO不明 198刷は変更
長門裕之AOB WHOPLUS
南田洋子BOA WHOPLUS
石坂浩二AOO WHOPLUS
誤記合計10 誤記合計10
 WHOPLUS:日外アソシエーツ

1刷で表示される有名人169名の血液型を調査し、82名の血液型を確認した。 うち10名に誤りがあり、誤差は確認対象の12.2%にも及ぶ。 厚生省(1984年当時)のデータでは、自分の血液型を間違えて記憶している人は0.8%とするが、能見の誤差率は実にその15.2倍にも及ぶ。
 朝日新聞 1984年9月27日 「自分の血液型は正確?」
この誤差率の15.2倍が意味するのは、能見親子は本人に血液型を確認したのではなく、希望に基づく憶測や伝聞が混入して血液型が決めつけられた可能性を示す。 能見親子の血液型統計は信頼性が極めて低く、ここから導き出された理論が信頼に足るのか疑問であると言わざるを得ない。
 
能見親子にとって血液型性格分類は大切だが、人間なんてどーでもよいのではないか?
 
198刷のデータでは2名訂正、1名削除、入れ替えた有名人のうち3名の血液型を間違い、血液型間違いは同数となる。 血液型人間学の前身は、発表より11年の研究を積み重ね、前進したり後退したりで進歩していないことが確認される。
 川上監督の血液型が変更されるが、血液型を確認できず、ここでは除外した。
2.冒頭から転ぶ血液型性格分類
この本の冒頭で、「動かせない事実」とタイトルをつけた章で、血液型による相性問題が提起される。 その典型例として例示されるのが、元横綱:若貴兄弟の親方夫婦、貴ノ花・憲子夫人(現:藤田憲子)である。
 
貴乃花・憲子夫人の結婚までの顛末を解説し、貴乃花が「数ある女性の中から憲子さんを選びとった」理由を血液型で説明する。
p12-13
いろんな理由はつくが、その意外と深いところには、貴ノ花の血液型がB型であり、憲子さんの血液型がO型であることが、起因となっている。
この例証から「B型男性はO型女性によわい」と自説を展開する。
 
藤田憲子はO型ではなく、A型である!
日外アソシエーツ:WHOPLUS 2006年6月回答にて確認。 回答をした藤田憲子の所属事務所:アクターズプロモーションは倒産(2007年5月)し、HPは閉鎖された。
冒頭からいい加減なものだ。 この夫婦は2001年に離婚した。 能見は「動かせない事実」として、相性が良いのは血液型の組み合わとするが、ここでの「動かせない事実」は、血液型間違いと離婚だ。
と思いきや、藤田憲子は2008年4月8日より藤田憲子オフィシャルブログを始め、プロフィールで血液型をO型とした。 血液型にイメージが定着した現代では、芸能人はキャラ作りのために血液型を変更する場合がある。
 
いずれにしろ、憲子夫人O型説では「相性が良い理論」は離婚で成立しないし、A型説では「相性が良い理論」は成立しない。
「動かせない事実」はさらに続き、能見は芸能人の離婚劇を血液型で読み解く。
(AB型⇔O型 割り切りやすく落ちつきも早い)p112-113
ロマンチックなムードを盛りあげようとしても、AB型はつき合いが悪い。 それを愛情の不足と考えるのは、大誤解である。 AB型は、万事あっさりしたのを望む、中国式の君子の交わりである。
 
AB型の横井邦彦と、多分O型の星由里子の失敗も、それではないだろうか。 夫は懸命に、ものの道理を説いて聞かせるが、O型がほしいのは、言葉ではなくて“心”なのである。 双方に気質への理解がほしかった。
いろいろと詳しく解説されてますな。 大変遺憾ではありますが、
 
星由里子はO型ではなく、A型である。
女優の星由里子は横井邦彦(実業家?血液型不明)と結婚し、40日間で離婚した。
血液型に気質があるとしながら、その気質から血液型を読めない程度の理論で、「気質を理解しろ」と説かれても迷惑な話だ。 「双方に気質への理解がほしかった」とするが、こんな能見式気質説を理解して何の役に立つのか? 血液型が当たるくらいの気質論でないと、何の説得力もない。
 
迷惑ついでに、こんな事も言っている。
(こうすれば仲直りできる)p153
AB型は、いずれにしても、感情問題をじかに話し合うことが大嫌いである。かえってこじれる結果にもなる。 横井邦彦、星由里子の場合、徹底的に話し合ったのが、むしろ悪かったのではないかとさえ思えるくらいだ。
星由里子が徹底的に話し合ったのかどうか不明だが、血液型を間違えて解説しながら、こんな事まで言われて迷惑の2乗である。
血液型で人間を知る本 p33-34 1979 では星由里子をA型とし、AB型とA型の離婚劇で解説した。 星由里子が何型であろうと、幾らでも「こじつけ」で解説できるのである。
女性に好みの男性の写真を選ばせ、女性の血液型別に相手の男性との相性を占うコーナーがある。 AB型の加山雄三を選んだAB型女性は、こんなことを言われる。
1刷 p169
AB型のあなたは、相性としてはあいません。好きになるのは彼の演技力にまいったのです。
AB型同士の相性は合わないそうだ。 人間関係を狭めるツールである血液型人間学の性格が良く表れた診断結果である。 これは爽やかイメージで売り出す加山雄三にとり、迷惑な行為であろう。 人気商売を阻害する営業妨害に他ならないからだ。
 
しかし加山雄三はAB型ではなく、A型である。
 
198刷ではA型に修正され、AB型女性はA型男性との相性に変わった。
198刷 p169
AB型のあなたは、彼に可愛さを感じ、母性愛的にめんどうを見ればうまくいきます。
加山雄三という人間はどこかへ行ってしまい、残骸と化した血液型記号だけで人間を判断する典型例である。 同じ加山という人物でありながら、いかにしてこうも対応策が変わるのか不思議である。
 
ここから引き出される「動かせない事実」は、
血液型人間学は人間と向き合うことなく、根拠なくでっち上げた血液型分類と向き合うということだ。
 
人間なんて関係ねーよ!血液型もって来い!
 
まぁ、この程度のいい加減なものであるが、次章以降も更に「動かせない事実」は続く。
■ 暫定非営利活動邦人 血液型偏見差別研究センター ■

←Back
Map
上巻 下巻 補巻 関係学 恋愛学 図鑑 優生学 Index
Next→