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■第2報■
 「血液型でわかる相性」の嘘
現代の血液型性格分類の起点は、能見正比古著「血液型でわかる相性」(青春出版社 1971)にある。 この原点には、あらゆるデタラメが押し込まれており、血液型人間学なるものの正体が良く分かる。 能見親子のインチキ三昧は本文で紹介するとして、ここでは調査の過程で出会った書籍を紹介する。
能見の通俗本には細かな矛盾点が幾つもあり、血液型別の特性がどうにでも解釈できるような説明がなされる。 大方の問題点は山本弘氏が以下の書籍で指摘されている。
 
■ トンデモ本の世界S 著:と学会 太田出版 2004
p282-288 「血液型ブームのルーツを読む―能見正比古『血液型でわかる相性』」 執筆:山本弘
 
山本氏は「なんとでも言える」というか「言っている」能見の論法を「無敵の理論」(p287)と呼んでいる。 能見正比古のトンデモぶりは山本氏が十分に指摘されているので、俺が書く必要もないかと思ったのだが、詳しく調べると更なるトンデモが続々と・・・。 それでこの第二報を起こす事にした。
現代の能見正比古の血液型人間学は、昭和初期に「血液型と気質」を発表した古川学説を悪用している。 「能見の統計は統計学的に成立しない」とし、古川学説と能見通俗説を精査し、「能見通俗説は古川学説のコピーである」と結論したのは、大村政男教授だ。
 
■ 血液型と性格 大村政男 福村出版
 
大村教授は「能見は心理学がなにも批判しない時代に『鳥無き里の蝙蝠(こうもり)』のように飛びまわった」(新訂版:p236)と指摘されている。
 
同書は現在、新訂版(1998)になっているが、第一版(1990)の方が読み物として面白い。 違いは前半部分にあり、第一版では戦前の軍隊での血液型と気質の研究を解説し、新訂版では気質・性格の心理学的解説がなされる。 後半部分は、第一版・新訂版ともに、古川学説と能見親子の血液型人間学の検討がなされる。
 
大村教授は四半世紀に渡り、この問題に取り組まれておられる。 日本大学の紀要にも論文を発表されており、これがまた断然おもしろい。 これ程ニヤニヤできる紀要論文は他にない。
 
■ 日本大学心理学研究 日本大学心理学会
第7号 p27-43 血液型気質説の回顧と展望 1986
 
■ 研究紀要 日本大学文理学部人文科学研究所
第35号 p175-199 血液型気質説についての研究 1988
弟38号 p53-77 血液型気質相関説の批判的研究 1989
第42号 p71-92 「血液型気質相関説」と「血液型人間学」の心理学的研究 1991
第46号 p115-155 「血液型気質相関説」と「血液型人間学」の心理学的研究U 1993
第49号 p187-202 帝国陸海軍における6編の血液型個性研究を批判する 1995
第50号 p167-189 石津作次郎の『血液型研究』と能見正比古・俊賢の『アボ・メイト』についての評論 1995
第72号 p155-168 石津作次郎と雑誌『血液型研究』 2006
 
一般の図書館に所蔵されてないのが残念だが、興味のある方は大学図書館の文献複写サービスを利用して頂きたい。 所蔵先はWebcat Plusで検索できる。
 
「んなかったるいこと出来ねーよ!」という大方の皆様には、ネットラジオで大村教授の御高説を賜るべし。 サイエンス・サイトーク「2005年11月6日 大村政男」で、お茶の間公開講座がエンジョイできる。
大村教授の「新訂版 血液型と性格」の書評を兼ね、各方面からの考察を加えた紀要論文は、 CiNii(論文情報ナビゲーター) でゲットできる。
 
■ 名古屋学芸大学 教養・学際編・研究紀要 創刊号 p65-78 「人類学よりみたる血液型と性格」 齊藤基生 2005年2月
 
齊藤氏は心理学者ではないだけに、各方面からの問題点を平易にダイジェストしてあり、読みやすく面白い。 是非ご一読をお勧めする。 若干の突っ込み処はあるような気もするが、大意を掴んで頂きたい。
信じられないことだが、能見親子は障害者の障害に血液型を擦りつけ、優劣の構図に当てはめている。 第6章「遺伝子型6分類法の嘘」では、本当に気分が悪くなるデタラメが展開される。 血液型人間学は、社会の敵である事が確認される。
 
2007年度より改正学校教育法が施行され、障害のある児童に対する特別支援教育が実施された。 障害者を特別視するのではなく、ともに生きる社会を目指し、学校教育のあり方が大きく変化した。 文部科学省がパンフレットを配布しているので、確認して頂きたい。
 
文部科学省 ・ 特別支援教育HP   特別支援教育パンフレット: 前半 ・ 後半
 
障害への理解を深めたい方には、特別支援教育に対応した最新の児童図書をお勧めする。 こういう教育を受けていない世代には、大いに勉強になると思う。
 
ミネルヴァ書房 発達と障害を考える本
■ @ 自閉症のおともだち  内山登紀夫 2006
■ A アスペルガー症候群のおともだち  内山登紀夫 2006
■ B LD(学習障害)のおともだち  内山登紀夫 2006
■ C ADHD(注意欠陥多動性障害)のおともだち  内山登紀夫 2006
■ D ダウン症のおともだち  玉井邦夫 2007
■ E 知的障害のおともだち  原仁 2007
 
障害者と健常者の交流を通じて学習できる今の子供たちは、大人たちより豊かな人間性を築く機会を得ている。 人間関係を歪めるツールである血液型人間学とは、全く逆の世界だ。
■ 暫定非営利活動邦人 血液型偏見差別研究センター ■

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