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■第1報■ 血液型人種主義
1984年から現在までの、血液型人間学・第一人者・能見俊賢なる者の言動と、社会の反応をダイジェストした。 能見俊賢は約100冊の通俗本を出版したという。 「科学」を自称し、「科学」の名の下に少数派を劣等視する血液型人種主義を垂れ流し、もはや日本の文化と化した今日の社会的弊害を築き上げた。
 
血液型ブームの下品さは、社会問題化に直結している点にある。 ブームの到来は、必ず社会問題を引き起こした歴史がある。 つまり「血液型人間学」とは、我が国における社会問題なのである。
 
簡単に歴史を振り返る。
1901年 オーストリアでカール・ラントシュタイナーがABO式血液型の発見
 
1916年 原来復・小林栄(医師)が「血液型と性質の関連」を医事新聞で言及 ← 特に関心を惹かず
 
1927年 古川竹二(教育学者)が、論文:「血液型による気質の研究」(古川学説)を学術雑誌に発表
1930年代 第一次血液型ブーム ← 充分な検証を経ず応用論へ拡大・一般化の弊害
1932年 古川竹二が、学術書:「血液型と気質」を出版
1933年〜 古川学説に疑義を呈する論文が多数発表され、古川学説は学界から消滅
 
〜沈黙期〜 古川学説は俗説化して世間を漂う
 
1971年 能見正比古(放送作家)が古川学説を焼き直した通俗本を出版 ← 人種主義の幕開け
1973年 能見正比古は「血液型人間学」を名乗り科学を宣言 ← 科学的人種主義に発展
1970年代 第二次血液型ブーム ← 何でも血液型で分類運動(1930年代の再現/文明退化)
 
1981年 能見正比古死去 息子の能見俊賢が差別産業を継承
1980年代 第三次血液型ブーム ← 能見俊賢によるB型への人種差別攻撃が激化
1980年代中盤 ブームに対し有識者が猛反発を展開(非科学論争) ← 社会問題化
 
1990年代 能見のニセ科学、否定論者(学者陣)の追撃をかわすのに必死 ← 平行論的安定期
 
2002年 管理人 『B型による B型のための B型の研究』をネット上に発表
2003年 ネット上で「B研」が大ブレイク
2003年 「B型の詩」が韓国語に翻訳され、韓国のネット上を漂流 ← 韓国人爆笑
 
2004年 4月 TV番組主導の第四次血液型ブーム ← B型排斥・民族浄化運動
2004年 8月 能見俊賢がNPO法人 血液型人間科学研究センター設立 ← B型の非人間化が加速
2004年12月 BPO(放送倫理・番組向上機構)がTV局の劣悪番組に自粛要請 ← 社会問題化
2005年 新聞・週刊誌による血液型番組批判でブームの沈静化 ← 心理学者が社会的に機能
 
2006年 4月 管理人 能見親子の調査に着手
2006年 9月 能見俊賢死去 
2007年 3月 管理人 「暫定非営利活動邦人 血液型偏見差別研究センター」をネット上に設置
 
〜現在 能見が設立したNPO法人が血液型人種主義を継承 ← 管理人監視中
血液型ブームの社会問題とは何であろうか? 日経新聞が朝刊の一面で、2004年度の血液型ブームの問題点をコンパクトに指摘した。
日本経済新聞 朝刊 一面
またぞろ無責任きわまりない血液型の話が、テレビで流され始めている。 ABO血液型による性格判断には、一片の科学的な論拠もなく、統計学的にも全く無意味なことが、学界ではとっくに決着済みだ。 しかし、この「迷信」はしぶとく生き残り、差別という害毒を流し始めている。 (中略)
 
血液型性格判断の文章を読むと、売れ行きを意識してか、日本では多数派のAとOについては肯定的な言葉で表現し、少数派のBとABを協調性を欠く負のイメージで描くことが多い。
 
冗談ではない。 何の根拠もなく偏屈などと決めつけられ、交友関係にまで影を落とすとしたら、これぞ少数者差別ではないか。 人事に血液型を持ち込もうとした経営者もいたが、その前に会社は傾き、実現しなかった。 最近、聞くのは、小学校での血液型を理由にした「いじめ」である。
 
このばかげた迷信が浸透しているのは、日本と韓国だけ。 今どき迷信で差別やいじめが横行する国を先進国とは呼べない。
2004年12月11日 日経新聞 「春秋」
全国紙の一面で批判されるとは、社会問題の大きさを物語る。 記事を半分だけ抜粋したが、残りの半分は劣悪な血液型番組のTV番組批判に充てられた。
 
多数派を肯定的に少数派を否定的にというのは、多数派に「優」を与えるために少数派の「劣」をでっち上げる人種主義の基本であり、人種主義で多数派に優越感を売る差別産業の本質である。 人種主義は少数派を排斥するのが鉄則だ。
 
しかし経済専門紙が倒産した会社を「ザマーミロ!」とばかりに批評するのも驚きだ。 能見俊賢は血液型での人事採用・人員配置を唱道したが、反応した会社が血液型人事採用を始めると、公的機関が人権侵害改善指導に乗り出し、マスコミが批判を始める。 つまり血液型人間学による血液型人事採用の唱道とは、反社会的な構造を有する人権侵害運動なのである。 日経新聞が批判を強めるのも頷ける話だ。
 
1991年に無条件に能見説を礼賛する連載特集記事を載せた朝日新聞の場合、相も変わらず世間の風を読みながら社会正義を振りかざした。
朝日新聞 朝刊 一面
ABO式の血液型で性格を四つに分けてしまう血液型診断は、戦前から繰り返し批判されてきた。科学的根拠がないとか、偏見を助長するなどと退けられても、しばらくすると息を吹き返す。 (中略)
 
今回は、どういうわけかB型が集中的にからかわれた。芸能人や幼稚園児を実験台に、B型のふるまいや対人関係をあげつらうような番組が目ついた。
 
「血液型で人の優劣を決めつけないで」「信じ込んだ子供が血液型でけんかする」視聴者の声を受け付ける放送倫理・番組向上機構には昨春から今年2月までに、苦情が200件も寄せられた。
2005年4月24日 朝日新聞 「天声人語」
朝日新聞はテレビ朝日の血液型番組が続いた2004年度が終了するのを待ち、社会正義を発動した。 「どういうわけかB型が集中的にからかわれた」現実は、「血液型で人間の優劣を決めつけた」テレビ朝日の番組を検証すれば確認できる。 テレビで火をつけ、新聞で水をかける自作自演の朝日グループは、窃盗団と警備会社のコングロマリットだ。 新聞各社はTV局と系列化されているが、その変節と混迷ぶりは別報で検討したい。
朝日新聞 華麗なる社会正義の変節 一部紹介
■ 1978年9月26日 血液型から交通事故を見ると……Aは“安全運転型”、Oは“人身事故型”
 
■ 1990年11月21日 AB型社員でチーム、三菱電機、ヒット商品開発目指す
 
■ 1991年8月6日 「人間関係」 気質との関連説で脚光、「思い当たるふし」に支持★★
■ 1991年8月7日 「体質型」 抗原の違いが型決める、ほぼ全身の細胞に分布
■ 1991年8月8日 「長所と短所」 時代や人で変わる尺度、4つの型の共通項集約
■ 1991年8月9日 「文化」 分布差が民族性に影?多様性、違いを認め合い
 
■ 2007年7月24日 運転免許講習「O型は事故多い」、批判うけ「根拠なかった」
この記事に関し、心理学者が抗議の電話をした。
心理学者 : 「オマイラが記事にする事で、社会的現実と化す危険がありますが?」
朝日新聞 : 「事実を報道したのみであり、オマイの出る幕ではありません」
■ 社会のイメージの心理学 p39 池田謙一 サイエンス社 1993 (要約)
 
★★ これらの「Q&A」形式の連載記事に関し、心理学者が論文にて批評した。
「質問者の質問の中心は,“反論があるのになぜ社会現象になっているのか”という点であったのだが,反論の存在に言及しないうえ,4日間にわたって血液型によって人間(の行動や性格)が異なるということを説得的に述べてきたわけである。 しかし,心理学という学問分野の中では,血液型による性格判断などはほとんど否定されているという歴史及び現状がある。 (中略)
 
今回の記事に心理学的研究が引用されていないという事実は重大であり,(以下略)」

 
■ 心理学評論35(2) p234-268 「現代の血液型性格ブームとその心理学的研究」
 東京都立大学:佐藤達哉・渡邊芳之 1992
「いじめ」は大きな社会問題だが、我々は何らかの規範を共有しているのであろうか? そうは思えない。 2004年に能見俊賢はテレビ朝日の番組を監修し、「でっち上げ」までしてB型排斥を訴える「いじめの道具」を無償配布した。 それは若年層において「いじめ」という社会的現実と化し、2006年には倫理学事典(弘文堂)に収録され、2007年には傷害事件にまで発展した。
史上初の血液型による傷害事件
○署は○日、○区の無職少女(16)と○区の高校1年の少女(15)を傷害の疑いで逮捕した。 調べでは、2人は○日○時ごろから無職少女の自宅で、○区の高校1年の女子生徒(15)に、友人(15)の血液型について悪口を言ったと因縁をつけ、約10日間のけがを負わせた疑い。
2007年5月23日 読売新聞 地方版 「傷害容疑の2少女を逮捕」
傷害事件の動機に「血液型」の文字が出たのは史上初である。 血液型で悪口を言い合うテレビの血液型番組が、暴力をもって再現された。 能見俊賢の血液型人間学にすれば「少数派差別の日常業務をテレビ朝日で再現した通常業務」であり、何ら罪の意識はあるまい。 能見一派の血液型人種主義は、何十年もかけて脈々と築き上げた長い歴史があり、そんじょそこらの薄っぺらい人種主義とは格が違うのだ。 そして我々は能見俊賢の日常業務とその歴史を、あまりにも知らなさ過ぎる。
 
と、他人にばかり罪を擦りつけられないのが、俺の立場である。 B研も能見俊賢の社会への悪影響を、不本意ながらも側面から支援した愚かな一面がある。 人間を血液型で4分類した時点で、誰もが自分の所属する記号を優秀としたい競争心理を原動力に、自民族中心主義は始まっているのだ。
 
これから始まる第一報は、日経新聞の記事がそっくりそのまま再現される。 いや、それ以上のものがあると思う。 管理人なりの解説を添えたが、読者の皆さんが自分なりに考え、意見を持ち、行動して頂ければ幸いである。
さて、2004年12月11日:日経新聞一面の報道から3年と3日が経過した。
産経新聞 朝刊 一面
一時のブームは下火になったものの、いまだに「A型は几帳面(きちょうめん)」などと血液型で性格を判断する風潮は残っているらしい。 首相官邸のホームページを開くと、福田康夫首相のプロフィルにも、血液型が書いてある。
 
数年前には、家電メーカーが、マイナスイオンをうたった商品の宣伝を競ったことがある。菊池誠大阪大学教授によれば、これまで行われてきた心理学の調査から、血液型と性格との関連性は見つかっておらず、マイナスイオンが「体にいい」という説も根拠がない。いわゆるニセ科学の見本といっていい。
2007年12月14日 産経新聞 「産経抄」
能見俊賢(息子)は産経新聞社に5年間勤務(1972-1977)し、その間に能見正比古(親父)著「血液型人間学」(1973)がサンケイ新聞社出版局から出版され、現代の血液型ブームが始まった。 その産経新聞が「ニセ科学の見本」だってよ! 同じ穴の狢(むじな)のような気もするが、これは感動のフィナーレか?
サンケイ新聞社出版局 いわゆる「ニセ科学の見本」 一覧表
□ 1972年 能見俊賢、産経新聞社途中入社 (書籍・週刊誌の編集・宣伝に従事)
 
■ サンケイ新聞社出版局 1973  血液型人間学 能見正比古
■ サンケイ新聞社出版局 1974  血液型愛情学 能見正比古★★
■ サンケイ出版 1976  血液型活用学 能見正比古
■ サンケイ出版 1976  血液型スポーツ学 能見正比古
■ サンケイ出版 1977  血液型エッセンス 能見正比古★★
■ サンケイ出版 1978  血液型政治学 能見正比古★★
■ サンケイ出版 1981  血液型と性格ハンドブック 能見正比古
■ サンケイ出版 1982  血液型ゴルファー学 能見正比古
 
■ 週刊サンケイ 1976 7/ 8書評:「今週の一冊」『血液型活用学』
■ 週刊サンケイ 1976 8/19(能見正比古)長島、吉田、古葉の「血の争い」
■ 週刊サンケイ 1976 12/16能見正比古の最新・血液型政治学
■ 週刊サンケイ 1977 1/20能見正比古の「血液型社長学」
■ 週刊サンケイ 1977 2/10能見正比古の「血液型タレント学」歌手編
■ 週刊サンケイ 1977 2/17能見正比古の「血液型タレント学」俳優編
■ 週刊サンケイ 1977 2/24能見正比古の「血液型タレント学」コメディアン・司会者編
■ 週刊サンケイ 1977 6/30書評:「話題の本」診断 『血液型エッセンス』

□ 1977年9月 能見俊賢、産経新聞社退社
能見俊賢は産経新聞社での職種を、「週刊サンケイの記者」[1]としたり、「書籍・週刊誌の編集・宣伝に従事」[2]としたりする。
[1] 1984年6月5日 血液型で見るプロ野球 p27 能見俊賢 KKベストセラーズ
[2] 1985年3月16日 週刊現代 「にんげんファイル'85 能見俊賢」 p61
 
★★ これらの書籍ではサンケイ新聞社出版局の協力に謝意が表明される。 「愛情学」ではサンケイ新聞の記者が地位を利用して話題の人物の血液型を調べた。 「政治学」ではベテラン記者4名が参加して政治家の人物評に協力した。
 
■ サンケイ新聞社出版局は1976年にサンケイ出版に分社独立。1987年に扶桑社と合弁。
[おまけ]
■ 2004年9月2日 第24回新聞広告賞 [新聞社企画部門・奨励賞]
 「マイナスイオン新聞」企画 産経新聞東京本社
 
最近(2006年〜)は物理学者が牽引して、各方面でニセ科学撲滅キャンペーンが展開されている。 ニセ科学批判の急先鋒:阪大の菊池教授は、新聞紙上やNHKのTV番組に出演して活動されている。 そのうち俺も撲滅されるんだろうなぁ・・・ まぁいいけど。
能見親子は「言論の自由」の名の下に、「科学」を装い「差別する自由」を謳歌した。 俺が「真実を伝える自由」を行使しようした途端、B研が検索エンジンの Google から、あぼーんされた(速攻で復旧)。 言論の不自由を実現し、人種主義を隠しながら人種差別を推進する人種主義者が存在する。
人種差別主義者は自由が嫌いなんだ。自由が恐いんだ。違いが恐いように。人種差別主義者が好きな唯一の自由は、自分の自由であり、何でも好きなことをさせてくれる自由なんだ。他人を裁いたり、自分と違うというだけで厚かましくも他人を軽蔑したりする自由だ。
「娘に語る人種差別」 p103 タハール・ベン・ジェルーン 訳:松葉祥一 青土社 2007
そんな事すればするだけ、俺は燃えるのにね。 てゆーか、人種主義者どもは白装束に身を固めて、白い三角帽を被って街を行進すれば? 面白いと思うけどなー。
2004年度のテレビ局の血液型番組の狂乱ぶりと内容分析は、 科学技術情報発信・流通総合システム で論文をゲットできる。
 
■ パーソナリティ研究15(1) p33-47 「疑似性格理論としての血液型性格関連説の多様性」
  大阪滋慶学園・上村晃弘/立命館大学・サトウタツヤ 日本パーソナリティ心理学会 2006
 
心理学の論文だが、比較的読み易い。 ここでも能見親子の説は科学とは認められないと結論されている。 科学じゃなくて人種主義という思想だからな。 それでも科学を名乗れば、科学的人種主義ですよ。
読むのが面倒い人のために、結論を要約する。p44
 
肯定論者は第三者による検証が可能な学術論文として発表をしない。 科学の基準として他者による検証と認証を受ける手続きを満たしていない。 にもかかわらず、手続きとしての科学の側面を過度に強調しつつ血液型と性格の関係が実証されたと断言している点で、血液型人間学は科学とは認められない。
■ 暫定非営利活動邦人 血液型偏見差別研究センター ■

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